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長い18世紀のイギリス

過去の No. 49, Pall-Mall (1759 - 1894)

トラベラーズ・クラブについて調べてみた時に出てきた住所 No. 49, Pall-Mall についてメモ。参照しているのは主に British History Online (BHO) の以下のページ。

建てたのはヘンリー・ホランド(ビルダー)

エリザベス・ピトケアン夫人の遺言状で言及されている Pall Mall の不動産、No. 49, Pall Mall らしい。49番地の建物は1759年頃にヘンリー・ホランド(シニア。建築家の父)によって建てられ、1762年にウィリアム・オールマックへのリース契約が為された。1759~1762年頃に最初のオールマックスがあったのはこの49番地。

テナントとオーナーの変遷

時代ごとの店子は、

  • Almack's Hotel (? - 1790)
  • firm of Ransom and Morland (1786 - early 1820's)
  • the Travellers' Club (1822 - 1830)
  • (part of the house) the London Library (1841 - 1845)

など。時代ごとのオーナーは、

  • William Almack, senior (1762 - 1781?)
  • William Almack, junior (1785 - 1806?)
  • Elizabeth Pitcairn, née Almack (1806? - 1844)
  • Augustus Campbell (1844 - 1870)

創業者→その息子→その妹→その(夫の)甥、という所有者の変遷か?(空白期間はオールマック氏の妻エリザベスさんかも)

  • 当てずっぽうで検索してヒットした1880年の住所録: Boyle's court and country guide, 1880, Google Books(Scottish Widows' Fund and Life Assurance Society の他は個人が入居?)
  • そういえば前にメモしていた住所録(1829年)があった。確かにトラベラーズ・クラブの名前がある: Boyle's court and country guide, 1829, p. 589, Google Books

1894年以降

オーガスタス・キャンベル牧師の死後からおよそ四半世紀後の1894年に彼の信託人たちによって不動産は売却され、ほどなくしてホランド(シニア)による建物は取り壊された。脚注75に "Deeds in possession of the Prudential Assurance Company." とある。注の注がほしい。その会社はもしかして、1848年創業で現存する会社だろうか。日本語のウィキペディアに記事がある

当時の建物はなくなってしまったけれど、住所が存在するのは幸い。住所ごとなくなってしまっている場合もあるし(ウィリアム・キャンベルの家とか)。

その他

調べもののついでに見つけた解説: AgreementとDeedの違いについて|勝田順子 | note
オーストラリアでの契約について。